品名 | 性状・用途 | 包装 |
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塩化アンモニウム | 25kg・オリジナル(1kg) | |
炭酸水素アンモニウム | 重炭安 | 25kg・オリジナル |
炭酸水素ナトリウム | 重曹 | 25kg・オリジナル(1kg・60g) |
硫酸アルミニウムアンモニウム(乾燥) | 粉末・顆粒 | 25kg・10kg |
硫酸アルミニウムカリウム(乾燥) | 焼ミョウバン | 25kg・オリジナル(1kg) |
硫酸アルミニウムカリウム | ミョウバン | 25kg・オリジナル(1kg) |
酒石酸水素カリウム | ケレモル | 25kg・オリジナル(500g・30g) |
炭酸カリウム | 25kg | |
ベーキングパウダー | 膨張剤製剤 | 14kg・2kg |
イスパタ | 膨張剤製剤 | 14kg・2kg |
甘イス | 膨張剤製剤 | 2kg |
膨脹剤、イーストフード
白色の結晶性粉末又は結晶塊、塩味及び清涼味がある。わずかに吸湿性があり、昇華性もある。昇華したものは、繊維状結晶塊で、空気中で安定、過熱すると比較的低温で揮散するが、大部分は分解してアンモニア及び塩化水素となる。
ベーキングパウダーの原料として、炭酸水素ナトリウムに本品を約10%配合する。ベーキングパウダーを用いて菓子パンなどを製造する場合は、小麦粉1kgに対して本品10~20gを使用する。せんべい、かりんとう、ビスケットなどの製造にも用いられる。
焼菓子類など
なし
一括名「膨脹剤」「イーストフード」又は物質名で表示する。
膨脹剤
白色又は半透明の結晶、結晶性粉末又は塊。アンモニア臭がある。多少吸湿性があり、空気中に放置すると徐々に、60℃以上では急速に分解してアンモニア、二酸化炭素と水を生ずる。本品は水に溶けてアルカリ性を呈する。
アンモニア系合成膨脹剤(イスパタ)の配合原料として炭酸アンモニウムと同様に使用されるが、特有のアンモニア臭を製品に与えるので現在はほとんど用いられていない。
菓子類
なし
一括名「膨脹剤」又は物質名で表示する。
別名:重炭酸アンモニウム
膨脹剤、粉末飲料などの発泡剤、pH調整剤、かんすい、製造用剤
白色の結晶性粉末又は顆粒、においはなく、特異な塩味がある。水に対する溶解度は10℃、6.9%、20℃、9.6%であり、エタノールには不溶。
湿った空気中で徐々に分解して炭酸ナトリウムとなる。また加熱すると50℃で二酸化炭素を発生し始め、100℃でsesquicarbonate(Na2CO3・NaHCO3・2HsO)、270℃~30℃で加熱すると炭酸ナトリウムとなる。水溶液は長期間放置するか、激しく振り混ぜると二酸化炭素を放出する。水溶液は加水分解のため微アルカリ性を呈する。あたらしく調製した25℃、0.1モル水溶液はpH8.3を示す。
膨脹剤の場合、加熱によって発生する二酸化炭素を利用し単独又は塩化アンモニウム、炭酸アンモニウムなどと併用して使用される。単独で用いるとガスの発生量が少なく、炭酸ナトリウムが残り製品が黄色となりしかも苦味を生ずることがあるので、併用して使用されることが多い。炭酸アンモニウムと併用してビスケットや焼菓子類に使用する場合は、原料粉に対して0.5%以下の量が添加される。
粉末清涼飲料の場合は、クエン酸、酒石酸などと併用し水に溶かしたときに急速に反応して二酸化炭素を発生することを利用して添加される。
また、水溶液が弱アルカリ性を呈することを利用し、緑色野菜などの湯通し液(ブランチング液)に0.1~0.2%程度加えて緑色の安定化をはかることもある。
焼菓子、粉末清涼飲料
なし
用途に応じて一括名「膨脹剤」「pH調整剤」「かんすい」又は物質名で表示する。
発泡剤として使用する場合は物質名表示。使用法により表示免除(加工助剤)。
別名:重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ
簡易名:炭酸水素Na、重炭酸Na、重曹
膨脹剤、製造用剤
別名をアンモニアミョウバンといい、含水のもの(12分子の結晶水含有)と乾燥品(無水)とがある。乾燥品は焼アンモニウムミョウバンともいう。
天然にもボヘミア、イタリア、コンゴ、アメリカなどから産出される。
含水品は光沢のある無色の結晶又は白色の結晶性粉末で、加熱すると93.5℃で結晶水に溶け、250℃に加熱すると結晶水を失って無水物になる。無水物は軽石状の塊又は白色の粉末で吸湿性がある。無臭で、味はやや甘いが収れん製がある。
アンモニウムミョウバンは結晶水を多く含むので、焼アンモニウムミョウバンほど用途は広くないが、つけもの類や煮物類の保色剤として用いられる。使用量はナスのつけものにはつけ込みのとき、ナスに対し0.2%-2%、ゴボウ、クリの煮物類は約0.01%水溶液に一昼夜漬けたのち、煮込みを行う。ナスの場合は美しい紺色につけあがり、キンピラゴボウでは歯切れがよくなるといわれている。また、膨脹剤の酸性成分としても用いられる。本品は硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)にくらべ水に対する溶解度が低いので、炭酸水素ナトリウムとの反応も緩やかで長時間二酸化炭素の発生をみるので、焼菓子類の膨脹剤に用いられる。ゆでだこの製造の際に少量添加すると美しい色に仕上がる。
ビスケット類、なすの漬物、煮物、きんぴらごぼう、ゆでだこなど
みそに使用してはならない。
一括名「膨脹剤」又は物質名表示。漬物、煮物等に用いたときは加工助剤につき表示免除。
硫酸アルミニウムアンモニウム(別名:アンモニウムミョウバン)
硫酸アルミニウムアンモニウム(乾燥)(別名:焼アンモニウムミョウバン 簡略名:硫酸アルミニウムアンモニウム、アンモニウムミョウバン)
膨脹剤、製造用剤
本品には結晶物(12水塩)及び乾燥物がある。それぞれミョウバン、焼ミョウバンと呼ばれる。
本品は、無~白色の結晶、結晶性粉末、片、顆粒または塊で、においがなく、味はやや渋く、収れん性がある。本品を200℃で4時間乾燥したものは、硫酸アルミニウムカリウム96.5%以上を含む。ミョウバンの化学的組成はParacelsusが硫酸第一鉄との区別をし、アルカリ土類金属を含むとしたのに始まり、1797年のChaptal Vaucuelimによって硫酸アルミニウムと硫酸カリウムの複塩であることが明らかにされた。食品添加物として昭和23年に指定されたが、それ以前から使用されていた。ボーキサイトに硫酸を加えて硫酸アルミニウムを作り、これに計算量の硫酸カリウムを加えて結晶させてミョウバンを調製する。ミョウバンををアルミ板上でときどきかき混ぜながら焼く200℃に加熱し、結晶水を揮散して焼ミョウバンとする。この時、加熱温度が高いと酸化アルミニウムを生ずる。焼ミョウバンは吸湿性の白色無定形粉末で、大気中に放置すると水分を吸収して12分子の結晶水近くにまでなる。完全に結晶水を失ったものは水に溶けにくいので、実際には結晶水が少量残っているものがよく用いられる。
ミョウバンは結晶水を多く含むので、焼ミョウバンほど用途は広くないが、つけもの類や煮物の保色剤として用いられる。使用量はナスのつけものにはつけ込みの時、ナスに対し0.2%~2%、ゴボウ、クリの煮物類は約0.01%の水溶液に一昼夜漬けたのち、煮込みを行う。ナスの場合は美しい紺色につけあがり、キンピラゴボウでは歯切れがよくなるといわれる。焼ミョウバンは脱水作用を利用して、添加物製剤の安定剤として用いられる。また、膨脹剤の酸性成分としても用いられる。ゆでだこの製造の際に少量添加すると美しい色に仕上がる。
焼菓子、ベーキングパウダー、なすの漬物、煮物、ゆでだこ
みそに使用してはならない。
一括名「膨脹剤」又は物質名表示。漬物、煮物等に用いたときは加工助剤につき表示免除。
硫酸アルミニウムカリウム(別名:ミョウバン、カリミョウバン)
硫酸アルミニウムカリウム(乾燥)(別名:焼ミョウバン 簡略名:硫酸アルミニウムカリウム、カリミョウバン、ミョウバン)
膨脹剤、調味料、pH調整剤
重酒石酸カリウムともいい、DL-及びL-体がある。いずれも無色の結晶又は白色の結晶性粉末で、清涼な酸味がある。水には溶けにくい(0.6g/100ml)が熱湯にはよく溶ける(6.1g/100ml)酸性を呈する。L-酒石酸水素カリウムは、植物とくにブドウに多量に含まれており、ブドウ酒の醸造時に不溶性の酒石として析出することがある。
本品はケレモルとも呼ばれ、ベーキングパウダーの配合原料であり、ベーキングパウダーに約50%含まれている。炭酸水素ナトリウムと反応して二酸化炭素を放出する。その作用は速効性で、味もよく、気泡もきれいでふっくらと軟らかかく、膨脹剤の酸性物質として非常に優れている。
菓子類
なし
一括名「膨脹剤」「調味料(有機酸)」「pH調整剤」又は物質名で表示する。
DL-酒石酸水素カリウム(別名:dl-酒石酸水素カリウム、DL-重酒石酸カリウム、簡易名:酒石酸カリウム、酒石酸K、重酒石酸カリウム、重酒石酸K)
L-酒石酸水素カリウム(別名:d-酒石酸水素カリウム、L-重酒石酸カリウム、簡易名:酒石酸カリウム、酒石酸K、重酒石酸カリウム、重酒石酸K)
かんすい、イーストフード、膨脹剤、pH調整剤
白色の粒又は粉末で、吸湿性が強く、水に溶けやすく、20℃で100gの水に112g溶ける。水溶液はアルカリ性を呈する。
炭酸ナトリウムとともにかんすいの主要原料の1つである。そのアルカリ性により中華そばなどになどに特有の風味をつけるもので、その主な作用は、小麦粉のたん白質に働いて柔らかくして弾力のある状態に変え、淡黄色に呈色させ、でん粉粒を溶けやすくするとともに、αでん粉の廊下を防ぐなどといわれる。ナトリウム塩よりもカリウム塩の方が風味がよいといわれる。単品又はリン酸塩と併用する。食品の製造工程における酸の中和剤としても用いられる(pH調整剤)
中華そば、ワンタン、ギョウザ、シュウマイの皮
なし
一括名「かんすい」「イーストフード」「膨脹剤」「pH調整剤」又は物質名で表示する。
簡易名:炭酸カリウム、炭酸K