品名 | 性状・用途 | 包装 |
---|---|---|
安息香酸 | 20kg | |
安息香酸ナトリウム | 20kg | |
エリソルビン酸ナトリウム | 10kg・1kg | |
ソルビン酸 | 10kg・オリジナル(1kg) | |
ソルビン酸カリウム | 10kg・オリジナル(1kg) | |
デハイドロ酢酸ナトリウム | 粉末・顆粒 | 10kg |
プロピオン酸類 | ||
パラオキシ安息香酸類 | ||
サンフード | 茶抽出物製剤 | 10kg・1kg |
サンカノン | 甘草抽出物 | 4Kg・8Kg |
トップサラダビタン | ビタミンB1の粉末製剤 | 10kg・1kg |
ビタゲンAS5N | チアミンラウリル硫酸塩 | 1kg |
ビタゲンAS7N | 安定性ビタミンB1製剤(液体) | 10kg |
カビトールN (オリジナル) | プロピオン酸ナトリウム | 1kg |
アンカビーK (オリジナル) | 製餡用製剤 | 1.5kg |
カビノンW (オリジナル) | 製餡用製剤 | 1kg |
カビノンS(オリジナル) | パン・洋菓子用 | 1kg |
カビノンB10(オリジナル) | チアミンラウリル硫酸塩製剤 | 1kg |
カビノンD(オリジナル) | 菓子全般用 | 1kg |
カビノンA(オリジナル) | 惣菜全般 | 1kg・10kg |
フードキープGA(オリジナル) | 菓子・惣菜類全般 | 1kg・20kg |
保存料
安息香酸は通常、小葉状又は針状の結晶で、無臭か又はわずかにベンズアルデヒドようのにおいがある。昇華しやすく、また水と煮沸すると、水蒸気とともに揮散する。水には溶けにくい(20℃で2.9g/l)が、エタノール(1g/2.3ml)、エーテル(1g/3ml)などにはよく溶ける。一方ナトリウム塩は白色の粒又は結晶性粉末で、無臭である。水にはよく溶ける(25℃で5.3g/10ml)。
安息香(benzoin)は天然樹脂の一つで、エゴノキ科の樹幹に傷をつけて浸み出させる。産地によりシャム安息香、スマトラ安息香などと呼ばれる。38%の安息酸を含む。すもも、肉桂、パパイヤ、高麗人参、しなちく、たけのこなどに天然成分として含まれる。Lactobacillus属の乳酸菌は乳酸発酵中に馬尿酸の分解により安息香酸とグリシンを生成するのでチーズや発酵乳中にも存在する。
遊離酸、ナトリウム塩とも殺菌作用、制菌作用を有するが、酸型保存料であるので、pHによってその効力は著しく変動する。例えば、pH3.5で800倍溶液はブドウ球菌その他の細菌を1時間以内に殺菌するが、pH5では20倍溶液でも確実な殺菌力を示さない。抗菌スペクトルは広く、各種の微生物に対してほぼ同様に作用するが、pH5.5以上では、カビ、酵母、生酸性細菌に対してほとんど効果を示さない。従って、十分な効力を発揮するためには、食品が十分に酸性であることが望ましい。
清涼飲料水、シロップ、しょう油、マーガリン、キャビア
次に示す食品に限る。
キャビア 2.5g/kg以下(安息香酸として)
マーガリン 1.0g/kg以下(安息香酸として)(ソルビン酸、ソルビン酸カリウムと併用の場合は合計量が1.0g/kg以下)
清涼飲料水、シロップ、しょう油 0.60g/kg以下(安息香酸として)
用途名「保存料」と物質名を併記する。
(例)保存料(安息香酸)
安息香酸ナトリウム(簡略名:安息香酸Na)
エリソルビン酸・エリソルビン酸ナトリウム
エリソルビン酸は、白色又は帯黄白色の結晶又は結晶性粉末で、無臭、酸味がある。
水(40g/100ml)、エタノール(5g/100ml)に溶けやすいが、エーテル、ベンゼン、にはほとんど溶けない。
1%水溶液でのpHは2.5である。
エリソルビン酸ナトリウムは、白色又は帯黄色の粒、細粒又は結晶性粉末で、無臭、わずかに塩味がある。水には極めて溶けやすい(55g/100ml)が、エタノールや他の有機溶媒にはほとんど溶けない。
1%水溶液でのpHは7である。両者とも、化学的性質はアスコルビン酸(ビタミンC)に類似しており、強い還元性を有し、光及び熱により徐々に分解し着色する。
この分解は重金属の存在下ではさらに促進される。壊血病治療効果はL-アルコルビン酸の約1/20しかない。乾燥状態ではかなり安定であるが、水溶液での分解は速い。
天然での存在に関する報告はないが、微生物により、グルコース、ショ糖等から生成されるという報告がある。本品を食品添加物として認めている国はアメリカ、EC諸国をはじめ多くの国に及んでいる。
強い還元力を有することから、酸化防止剤として食肉製品、魚介冷凍品、野菜や果物製品等に広く使用されている。またハム、ソーセージ等の食肉製品では、亜硝酸ナトリウムと併用することにより発色効果を高める効果があり、1kg当たり0.5g~0.8gが添加される。
冷凍魚介類では、酸化防止の目的で0.1~0.6%の水溶液に浸すか、氷衣付着法、噴霧法が用いられている。魚介類においては、含有する多くの不飽和脂肪酸の酸化によって発生する悪臭の防止にも有効である。
果実飲料野菜、果実缶詰には褐変防止、ビタミンCの酸化分解防止の目的で、それぞれ100ml当たり10~20mgが添加される。
強い還元力を有することから、酸化防止剤として食肉製品、魚介冷凍品、野菜や果物製品等に広く使用されている。またハム、ソーセージ等の食肉製品では、亜硝酸ナトリウムと併用することにより発色効果を高める効果があり、1kg当たり0.5g~0.8gが添加される。
冷凍魚介類では、酸化防止の目的で0.1~0.6%の水溶液に浸すか、氷衣付着法、噴霧法が用いられている。魚介類においては、含有する多くの不飽和脂肪酸の酸化によって発生する悪臭の防止にも有効である。
果実飲料野菜、果実缶詰には褐変防止、ビタミンCの酸化分解防止の目的で、それぞれ100ml当たり10~20mgが添加される。
酸化防止の目的に限る。
用途名「酸化防止剤」と物質名を併記する。
(例)酸化防止剤(エリソルビン酸)
酸化防止剤(エリソルビン酸Na)
エリソルビン酸(別名:イソアスコルビン酸)
エリソルビン酸ナトリウム(別名:イソアスコルビン酸ナトリウム 簡略名:エリソルビン酸Na、イソアスコルビン酸Na)
保存料
遊離酸は無色針状結晶又は白色の結晶性粉末で、ほとんどが無臭か、わずかに刺激性のにおいがある。水にはやや溶けにくいが、加温すれば溶ける。空気中に長く放置すると酸化されて着色し、水溶性を加熱すると、水蒸気とともに揮散する性質がある。
カリウム塩は無色~白色のリン片状の結晶又は白色の結晶性粉末で、水に極めてよく溶ける。ソルビン酸に比べて分解されやすく、空気中に放置すると3ヶ月で1.7%分解する。気密容器に貯えても、6.5ヶ月で0.6%分解する。また吸湿性もあるので、気密な容器に入れ、遮光して保存する必要がある。
抗微生物作用は主として発育阻止剤であり、殺菌作用は弱い。酸型のためpHの影響はうけやすいが、中性に近い食品(pH6.0~6.5)においてもある程度の効力をもっている。かび、酵母、好気性菌に対しては広い抗菌スペクトルをもち、特にかび、酵母に対しては1,000~1,500倍で(pH5.5以下)発育を阻止する。
ソルビン酸の抗微生物作用は微生物の脱水素酵素系の作用を阻害し、微生物の発育を抑制するものである。この酵素阻害は、一定濃度以上を用いたときに現われ、それ以下の濃度では、微生物の代謝過程にとり込まれる。従って、高濃度に汚染された食品に添加しても、あまり効果は期待できない。
チーズ、魚肉ねり製品、食肉製品、うに、いか、たこくん製品、魚介乾製品、フラワーペースト、煮豆、マーガリン、あん類、かす漬、こうじ漬、みそ漬、ジャム、ケチャップ、酢漬、果実酒、雑酒、乳酸菌飲料など
チーズ(3.0g/kg以下)1)(ソルビン酸として)
魚肉ねり製品(魚肉のすり身を除く)、鯨肉製品、食肉製品、うに 2.0g/kg以下(ソルビン酸として)
いかくん製品、たこくん製品1.5g/kg以下(ソルビン酸として)
魚介乾製品(いかくん製品及びたこくん製品を除く)、フラワーペースト類2)、煮豆、マーガリン3)、あん類、つくだ煮、みそ、たくあん漬4)、かす漬、こうじ漬、しょう油漬、みそ漬の漬物 1.0g/kg以下(ソルビン酸として)
ジャム、ケチャップ、干しすもも、酢漬の漬物 0.50g/kg以下(ソルビン酸として)
甘酒(3倍以上に希釈して飲用するものに限る)、はっ酵乳(乳酸菌飲料の原料に供するものに限る) 0.30g/kg以下(ソルビン酸として)
果実酒、雑酒、 0.20g/kg以下(ソルビン酸として)
乳酸菌飲料(殺菌したものを除く) 0.050g/以下(ソルビン酸として)(ただし、乳酸菌飲料原料に供するときは0.30g/kg以下(ソルビン酸として))
ソルビン酸及びソルビン酸カリウムを含むみそをみそ漬の漬物に使用する場合は、ソルビン酸及びソルビン酸カリウムをみそ漬の漬物に使用するものとみなす。
1) プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム又はプロピオン酸ナトリウムと併用する場合はソルビン酸としての使用量とプロピオン酸としての使用量の合計量が3.0g/kgを超えないこと。
2) フラワーペースト類とは小麦粉、でん粉、ナッツ類もしくはその加工品、ココア、チョコレート、コーヒー、果肉、果汁、いも類、豆類、又は野菜類を主原料とし、これに砂糖、油脂、粉乳、卵、小麦粉等を加え、加熱殺菌してペースト状とし、パン又は菓子に充てん又は塗布して食用に供するものをいう。
3) マーガリンにあっては、安息香酸又は安息香酸ナトリウムと併用する場合は、ソルビン酸及び安息香酸としての使用量の合計量が1.0g/kgを超えないこと。
4) たくあん漬とは、生大根、又は干大根を塩漬けにした後、これを調味料、香辛料、色素などを加えたぬか又はふすまで漬けたものをいう。ただし一丁漬たくあん及び早漬たくあんを除く。
用途名「保存料」と物質名を併記する。
(例)保存料(ソルビン酸)
ソルビン酸カリウム(簡略名:ソルビン酸K)
保存料
デヒドロ酢酸は1865年に報告された合成物質で天然には存在しない。1949年DowChemicalCo.の研究で食品防かび剤としての機能が明らかにされた。デヒドロ酢酸ナトリウムは白色の結晶性粉末で、無味無臭である。水に極めて溶けやすい。光、熱に対して安定である。デヒドロ酢酸は各種の金属と反応して水に難溶性の塩を作る。また、アンモニア、一級アミン、アミノ酸など、アミノ基を有する化合物と反応する。
抗微生物作用は発育阻止作用(静菌作用、適応酵素毒)であり、殺菌作用は弱い。酸型保存料の中では最も解離しにくいので、pHが中性附近であってもある程度の効力を示す。ソルビン酸と同様に乳酸菌や嫌気性芽胞形成菌クロストリジウム属の中にはほとんど無効の菌がある。
一般にかび、酵母及び好気性のグラム陽性菌に対しては、ほぼ同様の濃度で発育を阻止する。
チーズ、バター、マーガリン
次に示す食品に限る。
チーズ、バター、マーガリン 0.50g/kg以下(デヒドロ酢酸として)
用途名「保存料」と物質名を併記する
(例)保存料(デヒドロ酢酸Na)
簡略名:デヒドロ酢酸Na
保存料、香料(プロピオン酸)
遊離酸は澄明な液体で、特有のにおいがある。カルシウム塩、ナトリウム塩とも白色の結晶、顆粒又は粉末で、臭気はないが、わずかにプロピオン酸の臭気がある。
エタノールなどの有機溶剤には溶けにくいが水には20℃の水100mlに対してカルシウム塩3.6g、ナトリウム塩は10.8g溶ける。水溶液は中性~アルカリ性で、光、熱には安定であるが吸湿しやすいので密閉できる容器で保存する。
脂肪酸の抗微生物作用は、ある点までは炭素数の増加に従って強くなる。そのためプロピオン酸は、ソルビン酸や酪酸よりは弱いが酢酸よりは強い。しかし、腐敗・変敗を起こす微生物に対する作用は弱い。しかし本品の特徴は、かび及び好気性胞子形成菌にはある程度有効で、酵母にはほとんど無効なこと、毒性がほとんどない点にある。すなわち、パン酵母による生地発酵を阻まない程度の濃度をもつプロピオン酸によってパンの枯草菌などによる変敗やかびの発生を防止できることにある。
チーズ、パン、洋菓
次に示す食品に限る。
チーズ 3.0g/kg以下(プロピオン酸として)(ソルビン酸又はその塩類を併用する場合は合計量が3.0g/kg以下)
パン、洋菓子(ショートケーキ、パウンドケーキなどのベーカリー製品とする) 2.5g/kg以下(プロピオン酸として)
用途名「保存料」と物質名を併記する。
(例)保存料(プロピオン酸Ca)
保存料(プロピオン酸Na)
プロピオン酸を着香の目的で使用した場合には一括名「香料」と表示する。
プロピオン酸カルシウム(簡略名:プロピオン酸Ca)
プロピオン酸ナトリウム(簡略名:プロピオン酸Na)
保存料
いずれも無色の小結晶又は白色の結晶性粉末である。エタノール、酢酸、油脂などによく溶けるが、水には溶けにくく、25℃で100gの水に溶ける量は最も溶けやすいエチルエステルで0.17g、最も溶けにくいプチルエステルでは、わずかに0.02gにすぎない。エタノール、油脂などに対する親和性はこの逆である。
いずれも無色の小結晶又は白色の結晶性粉末である。エタノール、酢酸、油脂などによく溶けるが、水には溶けにくく、25℃で100gの水に溶ける量は最も溶けやすいエチルエステルで0.17g、最も溶けにくいプチルエステルでは、わずかに0.02gにすぎない。エタノール、油脂などに対する親和性はこの逆である。
しょうゆ、果実ソース、酢、清涼飲料水、シロップ、果実又は果菜(いずれも表皮の部分に限る)
次に示す食品に限る。
しょうゆ0.2g/l以下(パラオキシ安息香酸として)
果実ソース0.20g/lkg以下(パラオキシ安息香酸として)
酢0.10g/l以下(パラオキシ安息香酸として)
清涼飲料水及びシロップ0.10g/kg以下(パラオキシ安息香酸として)
果実及び果菜の表皮(表皮の部分に限る)0.012g/kg以下(パラオキシ安息香酸として)
用途名「保存料」と物質名を併記する。
(例)保存料(パラオキシ安息香酸)
保存料(イソプチルパラペン)
パラオキシ安息香酸イソプチル(別名:パラヒドロキシ安息香酸イソプチ 簡略名:パラオキシ安息香酸、イソプチルパラペン)
パラオキシ安息香酸イソプロピル(別名:パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル 簡略名:パラオキシ安息香酸 イソプロピルパラペン)
パラオキシ安息香酸エチル(別名:パラヒドロキシ安息香酸エチル 簡略名:パラオキシ安息香酸 エチルパラペン)
パラオキシ安息香酸ブチル(別名:パラヒドロキシ安息香酸ブチル 簡略名:パラオキシ安息香酸 ブチルパラペン)
パラオキシ安息香酸プロピル(別名:パラヒドロキシ安息香酸プロピル 簡略名:パラオキシ安息香酸 プロピルパラペン)